鎌倉瑞泉寺の庭園

昨日、節分明けの瑞泉寺庭園を訪れ春を迎えに行きました。花の寺としても有名な瑞泉寺は朝早かったので身震いのしそうな空気の締まりを感じながら静かな山門を入り本堂前の貴重な「黄梅」にスマホを向けましたが残念ながら3分咲というところでした。
皆さんご存知のことと思いますが鎌倉市指定の天然記念物に指定されていまして満開の時の黄色は鮮やかで見事ですよね。
傍の立て看板に牧野富太郎博士が「オウバイ」と名付けたことが書いてありました。
近くには破天荒の歌人、山崎方代さんの歌碑に「手の中に豆腐を載せていそいそと、いつもの角を曲がって帰る」が目につきます。


瑞泉寺は鎌倉公方の菩提寺として鎌倉五山につぐ関東十刹に列せられた格式のある寺院であります。開山の無窓国師は鎌倉時代後期から南北朝期に臨済宗の僧として活躍しておりますが、作庭の名人としても知られておりましてスケールの大きな日本庭園の基本とも言われる多くの有名な庭園を造りました。本堂裏にある空間も国の名勝に指定されており鎌倉の地形に手を加え、やぐらと云われる岩山に掘り込みを入れ借景とした趣のある庭園であります。向かい合って目を瞑り雑念を払うその時はまさに至福の時でもあります。

私は夢窓国師の庭園を訪ねたことがありまして、この他にも京の天竜寺・甲斐の恵林寺、美濃の永保寺、苔寺の名で知られる西芳寺などがありいずれも国の特別名勝に指定されておりまして素晴らしいの一言です。特に永保寺の庭園とは岩山を取り入れたところに趣が似ており同一の作者が作られたのが良く分かります
                                    八大