リビングウィル とは

 先週ある仲間の集まりでリビングウィルと云う大変貴重な話を聞く機会がありました。
回復の見込みがなく、すぐにでも命の灯が消え去ろうとしているときでも、現代の医療ではあなたを生かし続けることは可能です。人工呼吸器をつけて体内に酸素を送り込み、胃に穴をあける胃ろうを装着し栄養を摂取させます。ひとたびこれらの延命措置を始めたら、はずすことは容易でない。生命維持装置をはずせば死に至ることが明らかですから、医師が外したがらないことになります。「あらゆる手段を使って生きたい」と思っている多くの方々の意思も、尊重されるべきことです。

一方でチューブや機械につながれて、なお辛い闘病を強いられ、「回復の見込みがないのなら、安らかにその時を迎えたい」と思っている方々も多数いるそうです。「平穏死」「自然死」を望む方々が、自分の意思を元気なうちに説明・理解・同意)を書面にしておくこと必要です、それがリビングウイルです。「生前意思」とでも訳すのでしょうか。

いわば「いのちの遺言状」です。「自分の命が不治かつ末期であれば、延命措置を施さないでほしい」と宣言し、記しておくのです。延命措置を控えてもらい、苦痛を取り除く緩和に重点を置いた医療に最善を尽くしてもらうことを望みます。もし、意に沿わなくなった場合、いつでも解約することが出来るそうです。
最近あまり聞かれなくなった言葉に尊厳死と安楽死がありますが非常にデリケートな問題なので法制化は難しく、いずれも日本国では認められてはおりません。日本でもリビングウィルと云う制度を確立して行こうとの機運が高まって来ているそうです。


 尊厳死とは 人間が人間としての尊厳 を保ちながら死に臨むことであり、インフォームド・コンセント(医師と患者との十分な情報を伝えられた上での合意)のひとつとされる末期ガン患者など治癒の見込みのない人々が、どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生の幸福感を味わいながら迎えることである。
日本では事前に本人による指示書が準備されていても、治療を止めたことで、親族などが
ら殺人だと訴えられる可能性がある。尊厳死のための法律がないため、当事者本人が尊厳死を事前に希望しても人工呼吸器を取り外すことはできないという声が延命治療の現場では圧倒的に多いそうです。
 安楽死とは 死期が迫っている患者に耐え難い肉体的苦痛があり、患者が「早く逝かせてほしい」との意思を持っていることが明らかな場合、医師が積極的な医療行為で患者を死なせることを安楽死と呼びます。延命措置を行わないこととは、明らかに異なります。日本では患者を安楽死させた事件が有りますが、いずれの場合でも医師の有罪判決が確定しています。欧米などでは、この安楽死を合法的に認めている国・州がありますが、日本尊厳死協会は安楽死を支持していないそうです。

 令和二年  如月        八 大










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