清明は沖縄地方での三大行事の一つで春先の清らかで生き生きとした様子を表わした「清浄明潔」という言葉を簡略したものです。また清明祭(シーミー)とも呼ばれ先祖の墓前にお重と料理を供えて宴を開き、供養と親族の親睦を深める行事です。お供えする料理は地域により異なりますが、天・地・海を象徴するもので、鶏肉、豚の三枚肉煮付け、赤い蒲鉾など日持ちのしやすい物を重箱に詰めます。気候もいい頃でピクニック感覚で楽しむそうです。
沖縄地方では一族全員が同じ墓に入る伝統があり必然的にお墓が大きくなります。そのため宴の規模が大きくなり各地で賑やかな清明祭を見ることが出来ます。この行事は十八世紀に中国から伝わったそうです。当時は農作業の始まりのこの季節に祖先の力を借りるためだったそうですが、広まるにつれて先祖祭りへと変化していったと思われます。また本家の中国でも「清明節(せいめいせつ)」と呼ばれる祝日であり、 この日はお墓を掃除して墓参りをするため「掃墓節(そうぼせつ)」とも呼ばれています。 日本でいう「お盆」に当たる日で気候もすっかり温暖となり、桃やスモモの花が咲き柳が緑にけむって清明と呼ぶにふさわしい季節です。唐時代以降,郊外に出かけて春の青草を踏んで遊んだり酒の宴を開く事を「踏青(とうせい)」とも云われ新鮮な緑へのあこが感じられます。
令和4年 卯月 八 大
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