初鰹

しぶりに晴天が続いて気分が良いので散歩の帰りにスーパーへ立ち寄ると初鰹の表示あり。すぐに飛びついて大き目の柵を買い込んで包丁裁きはお手の物山椒の新芽を添えました。夕餉の席へ持ち込んで一献傾ける風情は自画自賛である。「目に青葉 山ホトトギス 初鰹」とはこの事なりと納得し岩手の地酒を手元にする。

この句は江戸中期の俳人山口素堂の有名な句がありますがチョット気になる事に気がつきました。プレバトの夏井いつき先生に云わせると季重なり(きがさなり)でボツになりそうですよね。こんな時はどんな受け答えをするのか興味がありネットで調べると答えがありました。俳句の中に明らかに「強い季語」と「弱い季語」があり、どちらが主役かハッキリしている場合は季重なりでもOKとなります。この場合には季語同士がお互いを邪魔しません? との答えでした。

鰹には旬(しゅん)が二度あります。「初鰹」「戻り鰹」の2種類があるのですが、初鰹は「春のかつお」として知られており、サッパリしているのが特徴です。初鰹は、南から北上する途中の3月頃から獲ることが出来るため、脂の乗りがイマイチでサッパリしているのが特徴です。

北上して行く鰹は8月頃に宮城県沖に移動して折り返し11月頃にかけて鹿児島に向かって南下して行くのが戻り鰹で、南下する途中で沢山の脂分を蓄えて行く為そのままでも美味しく食べられます。けれども高知のグルメと云えば表面だけ藁で香ばしくあぶり焼いた「藁焼きタタキ」の料理は豪快に食べられ本当に旨いです。ご存知の高知発祥の食べ方と云われています。

昨夕に食べた初鰹は旬に違いはないけれど残念ながら戻り鰹とは比べ物にならないもので「江戸っ子の心意気」を示しただけでした。

 令和4年 卯月        八大






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