極楽の余り風

金山城址からの眺め
群馬県太田市の金山公園を散策をしていた時に眼下に見下ろす市内を見ながら一息つく、爽やかな一条の通り風がさわさわさわっと優しく頬を撫でていく。これですよ風の流れを感じましたね・・仲間の一人が「極楽の余り風」が通り過ぎたよっと呟く。「ああ~~ええ風やねえ」と誰もが口にします。

酷暑に吹く心地よい涼風、なんと表現すればよいのか言葉が見つからない。 夏の暑いこの時期に金山城に向かって通り抜ける甘風に云い様のない爽やかさを身に受ける有難さは仏の心を感じる。山道など歩いて汗だくになった身に、ときおり清々しい涼風が木陰を抜けて吹いてくる。 ああ、天の恵みでは・・とその風に感激!!

金山城址公園
私がこんな表現を聞いたのは『夏の医者』という落語を聞いたのが初めてだった。父親を助けるため息子が老医者を伴って帰る途中、山頂で一服している時に涼風が吹いてきた。「ああ、極楽の余り風じゃ」と喜ぶ。落語ではそう言った途端にうわばみに飲み込まれてしまうが医者は冷静に構え蛇の胃の中で下剤を撒くと云う・・・。こんな奇想天外な話があり笑い転げてしまう。

語も名作だが「極楽の余り風」はこちら関東方面の話づくりとは違っているようで江戸と上方の違いを感じさせますね。もちろん落語より先にそうした言い回しがあったのでしょうが、今でもその違いが残っていることに感謝ですね。


 葉 月              八 大












 

0 件のコメント:

コメントを投稿