秋野菜と御山洗い

 「食欲の秋」と云う言葉にふさわしく、秋になると元気で健康な土が育んだ根っこや葉っぱ、イモ類やキノコなどが旬を迎えます。秋は季節の変わり目のため、夏の暑さによる疲れとまじかに控えた冬のせいで体調を崩しがちです。秋野菜に含まれる豊富なビタミン・ミネラル・食物繊維は夏に蓄積した疲れを癒し、腸内環境を整え肌荒れなどを改善すると共に寒い冬に備えた体力づくりに役立ちます。

秋の野菜
里芋は弱った胃腸のケアや体を温める効果があり、ビタミンCが豊富なブロッコリーとの相性は良好です。茄子は一般的に7月から8月が旬の夏野菜とされていますが「秋ナスは嫁に食わすな」と云うことでわざがあるように、初秋に収穫されるナスは身がしまっていて種が少なく、特に美味なるものとされている。

生姜も本来は秋きが旬の食材だそうです。9月から10月ごろの収穫期に採ってすぐに出荷される生姜を新生姜と云います。色が白くて繊維が少なく、非常にみずみずしいのが特徴です。この時季テレビでもすっかりお馴染みとなった栃木産の岩下の新生姜も頑張っていますね。

お山洗いと云う言葉があります。富士山麓地方で陰暦7月26日に降る雨のことを「御山洗い」と云います。聖なる山を清め洗い流すさまにたとえた素敵な言葉です。厳密には富士山を指すのでしょうが各地方の霊峰にも当てはめて、この時季に山に降る雨を「御山洗い」と呼んでいるようです。きれいに洗われ水分を取った山々はこれから黄葉し、あでやかに「山装う」へと向かいますよ。

 長 月               八 大 

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