昨年の夏ごろ、日比谷公園の周辺をぶらぶらして帝国ホテルをのぞき込んでいた時、確かこの辺が鹿鳴館があった処だったことを思い出しました。そこには鹿鳴館の跡地を示す小さな額がポツンとありました。今は再開発の工事が行われており往時を忍べる物は全くありませんでした。
鹿 鳴 館 |
舞 踏 会 の浮世絵 |
詩の大意は、鹿は群れをなして山に棲息する動物であり冬に雪が積もると餌が乏しくなり、雪の山中に餌を求めて彷徨い歩く日々が続く。雪解けの早春の頃には空腹が絶頂に達し、そんな折たまたま一頭の鹿が雪解けの山肌に萌え出たヨモギを見つける。その瞬間に鹿は貪りつくかと思うとそうはせず峰に駆け上がって悠々と鳴いて仲間を呼び集め、僅かばかりのヨモギを皆で分かちあって食べると云う。
この鹿鳴の詩は喜びを分かち合う鹿の習性を讃えた歌であり、野生の動物から学んだ教訓を言い表している。飽食の時代と云われる豊かな現代、他人への思いやリのない独善的な風潮が蔓延しつつある中、こうした自己中心的な社会からは真の幸福を求めることは出来ません。鹿鳴の声は我々に強く自戒を訴えているかに思える。
如 月 八 大
八 大
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