桃
神話の時代イザナミノミコトが黄泉の国の黄泉比良坂で悪鬼たちの襲撃にあったときに、3個の桃を投げて難を逃れたという話があります。
桃は中国が原産の地ですが不老長寿の象徴であり不老不死の世界は桃源郷と云われていいますが「世俗を離れた別世界」のことを指す言葉で、煩わしいことのない楽園とも云います。普段日常を過ごしている世界から離れた理想的な世界です。
中国南北朝時代の文学者であった、陶淵明は目的をもって追求したのでは到達できない場所とであるとし、日常生活を尊重し同時に書物を通じて神話世界を飛翔し神仙の境地に至っていたと云われています。
その一説に
初夏になって草木が伸び 我が家の周りには樹木が茂る
鳥たちは巣作り喜びに励み 私も自分の家が気に入っている
野良仕事に精を出し 家に帰ると読書を楽しむ
狭い道には車も入って来れぬから 煩わしい付き合いをしなくても済む
近隣の人たちと歓談しては酒を酌み交わし 肴に庭の野草を食う
小雨が東の方から降ってくると それに添えられた絵に目をやる
寝ながらにして宇宙のことがわかるのだから こんなに楽しいことはない
令和元年 八 月 八 大