鶺鴒

 鶺鴒(せきれい) 


古利根川の人道橋付近は川幅も広くゆったりとした流れは釣り人も多く、何となく人の心も穏やかになっていくようで楽しいスポットですね。いつものように水面を眺めていると朽ちた釣り船に留まって尻尾を上下させている鶺鴒を見つけました。その細めの体と長い尾が特徴的な鶺鴒はその長い尾でちょんちょんとリズムをとるようにして、歩き回り水生植物や昆虫をあさっているようです。その長い尾を上下に振る習性から地方によっては「石たたき」「庭たたき」などとも言われています。

日本書紀には日本神話の国生みの伝承として「恋かぞえ鳥」「恋知り鳥」という異名もあるそうですが、これは神話の中にあるエピソードが由来だそうです。それは日本の国を創ったイザナギノミコトとイザナミノミコトは結婚したものの、子供の作り方が全くわかりませんでした。そこへ鶺鴒が飛んできて盛んに尾を上下に動かす動作見せると納得し二人の神は性交の仕方をすぐに覚えたのです。

神様のやることは早いです、直ぐにイザナミは大八嶋(日本列島)を産み落としたのでした。今の日本列島があるのは鶺鴒のお陰かもしれませんね。そんな伝説からか鶺鴒は結婚にゆかりの深い鳥になっており皇室での成婚時には、新床の飾りとして鶺鴒が置かれていたとも言われております。

また鶺鴒は盛岡市や喜多方市、水戸市、あきる野市、板橋市、岡崎市など全国各地の自治体で愛される鳥として指定の鳥として選ばれているようです。一般にみられているセキレイは日本ではセグロセキれレイ、ハクセキレイ、キセキレイが主であるが中国地方にいるイワミセキレイと云う種は長い尾を左右に振る習性があるそうで見られると面白いですね。


 令和2年  長月        八 大


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