花語らず

 花の少ないこの季節、何時ものように古利根川をぶらぶら歩いて思い出したことがありました。随分昔の話になりますが京都南禅寺9代目の柴山全慶管長さんの言葉に「こころ」打たれました。それは「花語らず」という小文でのメモがありました。

『花は黙って咲き 黙って散っていく そうして再び枝に帰らない
    けれども その一時一処に この世のすべてを託している
       一輪の花の声であり 一枝の花の真である
          永遠にほろびぬ生命のよろこびが 悔なくそこに輝いている』    

どうしてそんな事が今頃になって心に浮かんできたのだろうか・・・。それは四行目の言葉一言一句に我が身を重ね合わせて自問自答してみる。それから先の世の中に灯りと生きる喜びを与えてくれるからだろうと私は思う。小さなことのようでも私にとっては大きな収穫でありました。


 令和3年  師走       八 大

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