ひめゆり

 初夏の季節に鮮やかな橙色のくっきりとした六花弁を咲かせる、「ひめゆり」は夏に入ろうとするこの時期清々しい雰囲気を感じさせてくれます。原産地は日本から朝鮮半島にかけて分布しておりここ関東地方でも多く見かけられます。けれども最近は鹿による食害で自生のひめゆりは減少を続けており日光の戦場ヶ原付近ではその対策に苦慮しているそうです。

我が家のひめゆり
戦時中に若くして亡くなられた沖縄の「ひめゆり学徒隊」が有名ですが、この名前の由来は植物のひめゆりと思われますが実は関係はないそうです。この学徒出準のもとなった二つの学校の広報誌が「乙姫」と「白百合」だったため「姫」と「百合」をとり「ひめゆり」になったそうです。

姫百合はその名の通りユリ科の植物で海外では、特にキリスト教圏では聖なる花として大切にされているそうです。ユリは純潔の象徴で聖母マリアのシンボルとされているからです。

六月の誕生花の花言葉は「誇り」「可憐な愛情」や「強いから美しい」と云ったもので、美しく気高く咲く姫百合にふさわしい言葉ですね。

 水張月          八 大






トルコギキョウ(土耳古桔梗)

トルコキキョウ
この処、花屋さんの店先で多く見られる花「トルコキキョウ」その和名から、キキョウ科の植物だと誤解されますが、聞く処によりますと原産地はアメリカ合衆国テキサス州からメキシコにかけて分布している別名ユーストマ・シリアンサスというリンドウ科の植物でギリシャ語で「良い口」と云う意味で、花姿に由来するとされています。

原種の多くは紫色の花をつけるが、白やピンク黄色なども見かけられます。トルコという名前の由来は花の形がターバンに似ているからだとか、元々のトルコギキョウの花色である青紫色がトルコ石や地中海の海の色を連想させるからだとも云われていますが、はっきりとはわかっていないようです。 

日本へは昭和の初め

野生のトルコキキョウ
の頃に切り花用として持ってこられたそうですが、今に至るまでたくさんの品種改良が行われたと云われています。二度にわたる世界大戦によって数々の園芸植物が失われましたがトルコキキョウも例外ではなかったようで、海外ではそのほとんどが絶えてしまったそうですが日本では細々ながら他国より多く生き残っていたようです。 

草丈は30〜80 cmで、高温や低温になると葉がロゼット化し適温になるまで成長しません。(地べたから直接葉っぱが放射状に広がる事をロゼット化と言うそうです。)
5月~9月頃によく分枝し釣鐘型で花径5〜8 cmの紫・桃・白・薄紫・緑・薄黄の花をたくさん咲かせます。優しい感じの花で一重や八重があります。花色が豊富で切花でも日持ちが良いのでフラワーアレンジメントや鉢植えなどに好まれております。   

 花言葉  清々しい美しさ 紫色は希望

 水張月           八 大