虞美人草
                

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今朝、古利根川の散歩コースに私に話しかけるように咲いていました。
 なんと可愛いヒナゲシなんだろうと・・・虞美人草とも云うんだよね。
 花言葉は 「思いやり 陽気でやさしい」               
 虞美人草にこんな話があります。
 中国秦末の武将に項羽には虞と云う愛人がいました。
 項羽が劉邦に敗れて垓下に追い詰められた時に死を覚悟した項羽が
 詠った垓下の歌に合わせて虞は舞った後自刃した。
 彼女を葬った墓に翌夏、赤いこの花が咲いたという言い伝えがあるこの花を虞美人草と      云うようになった。           
                     6/1   八大
なつつばき(夏椿)



猫の額の一角にこの時期毎年咲いてくれていますが、咲くとその日のうちに散ってしまうような短命の花で、なんか人の世の無常・はかなさを感じさせる花です。
伝え聞くところによると、釈迦がインドのクシナガラで入滅すると近くにあった沙羅樹が一斉に花を咲かせ、たちまちに枯れてしまい辺り一面が真っ白になったと言われたおります。
沙羅双樹とも表されていますが、たまたま二本或いは四本の木があった事からそう言われているようです。



お経の中あった沙羅樹の代用として日本各地の寺院が「なつつばき」を植えられたので沙羅樹と呼ばれるようになったと言われています。                             八大
蓮 について




 
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先日久し振りに内牧公園の蓮田を見に行きました。少し盛りを過ぎていましたが今年も多くの皆さんを楽しませてくれたようで今日もカメラを持った親子連れがおりました。
 ハスは古名を「はちす」と云いますがハスの花床が蜂の巣のように見えることに由来して、そのはちすがなまって変化したのが「はす」のようで水中で根が連なっているので「蓮」と書きます。
 花言葉には沢山あるようですが私の一番好きな言葉は「清らかな心」です。
 仏教では泥水の中から生じ、清浄な美しい花を咲かせる、はすの姿が智慧や慈悲の象徴とされお釈迦様の教えにつながりがりを感じさせます。
 はすは朝開いて夕方に閉じますが三回繰り返し四日目には散りこぼれて一年を終わるようです。
写真また善い行いをした者は死後に極楽浄土に往生し、同じはすの花の上に身を託し生まれ変わるという思想があり「一蓮托生」と云う言葉の語源にもなっています。この頃ではその言葉を悪い意味に使うことの方が多いことは残念なことです。                           八大
                


ハイビスカス(和名・仏桑花)

 玄関前に咲くハイビスカスは今年も咲いては散り咲いては散り、どうしてこんなに私を楽しませてくれるのでしょうか不思議な花です?

 早朝に咲いてその日のうちに散ってしまう一日花で、日当たりの良い場所では水さえ切らさなければ次々とつぼみを付けて9月中頃まで咲き続けてくれます。
 ハイビスカスは米国ハワイの州花として歓迎のレイにも使われておりあまりにも有名です。 
 沖縄ではこの花を昔は後生花と呼んでおり、亡くなった人の「後生の幸福」を願って墓地に植える習慣があったそうで儚い思いの残る花だったそうです。
 同じアオイ科でよく似ている木槿(ムクゲ)はチョット小ぶりですが、韓国では人の世の短い栄華のたとえで「槿花一朝の夢」と表現して国花になっています。今の女性大統領の名前は‘朴槿恵‘と云いますが、国花にちなんで父親の‘朴正煕‘が名付けたそうです。
 それぞれの国や地域によって言い伝えがあり儚さに繋げるかハレに繋げるか、一日花に感じる思いに違いがあるのも面白いことですね。
 花言葉は「新しい恋」と云うらしいですよ、皆さんも若いころを思い起こしてみると・・・イイかもね。
                                                        
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夏越の祓い(茅の輪くぐり)

「水無月の夏越の祓いする人は、千歳の命延ぶると云うなり」


全国各地の鎮守社では毎年六月三十日に「大祓い」の行事を行いますが、今年前半の穢れや災いごとを払うとして茅の輪くぐりを行います。その昔素戔嗚尊(スサノオノミコト)が身分を隠しての旅の途中一夜の宿を探したところ裕福な巨旦将来の家で断られたが、貧乏であった蘇民将来の家に心優しい御もてなしを受け泊めてもらった。その善行の御礼にと云うことで「もしも疫病が流行したら茅の輪を腰に付けると免れる」と云われた。東北の田舎に行くと今でも玄関の柱に蘇民将来の木札を見つけることがありますよ。


そんなことから無病息災を祈る行事として鎮守社に取り入れらたものと思われます。
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茅の輪くぐり
春日部八幡宮
神明宮
                                                        
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定家鬘

定家鬘(ていかかずら)藤原定家は百人一首に出てくる秀でた歌人ですが、その人の名の付いた

つる草の名前が定家鬘です。
式子内親王を愛した藤原定家が彼女の死後も忘れられず、つる草に生まれ
変わって式子内親王の墓石に絡みつくという話があります。
よく女性は怖いと言われることもありますが、男もいるんですね~。
毒のある植物ですが今の時期可憐な香りを出して飛んでいる虫を誘っています。
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紺珠

紺珠(かんじゅ)とは
 私は二十歳の頃詠んだ、森鴎外の『ヰタ・セクスアリス』の文中に紺珠という備忘録を持っていることに興味を持ちました。その後いろいろ手を尽くして紺珠の意味を調べて結果・・・それにあやかり自分の備忘録として半世紀以上名前を借りて使わせて頂いております。
紺珠と張説
 張説という少年は勉強と人助けが大好きであった。ある日張説が助けた老人は青色に薄い紅が浮かび上がる珠をお礼に与えた。最初は貰うのを断ったが老人はこの珠の説明を始める。
 老人が云うには紺珠は勉強や執筆活動に於いてこの珠を手に握っていると自分の記憶について思い出すことが出来るという。更には日頃から愛でていれば神経が磨かれ一度見たことは絶対に忘れることなく思い出せるというのだ。老人はそう伝えた後紺珠を彼の手に捻じ込むように渡し虚空に消えた。
 老人が消えるのを見て張説はこれは神が私に与えた報いなのだと思った。それ以降彼は大切に死ぬまで肌身離さず紺珠を携帯した。その後の彼は朝廷の役人になり、筆においても文においても詩においても中国中にその名を轟かせたという。(当時のメモより)
 今の時代紺珠など持たなくても何十年もの歳月を積み重ねた日記が、例えばブログのようなデータになっていれば検索機能を使ってすぐに当時の言葉にたどり着くことが出来る。それどころではないインターネットは全世界の人々の記憶を、何の労もなく自らのモノとすることが出来る。
 これからもインターネットという巨大な記憶装置は私たち人類の生活にとって無限の可能性をもたらしてくれることでしょう。                                                                 平成28年2月  八大