「有無同然」                     
     幸せなんだけど、何かが足りない・・

  あなたは、今幸せですか・・・? 幸せなんだけどやっぱりむなしい.心から満足できないというのが本音ではありませんか。
 今では多くの人達が財布の中にお金があり銀行に口座があり、ほとんどの人たちがパソコンを持っております。若者でも少しお金が足りなければ奨学金で大学にも行ける。日本は世界的な平均から見れば大変恵まれた国に居るわけです。どうしてこんなに恵まれた日本で心から安らぎや満足が得られないのかと考えたことはありませんか?
 人類は歴史上、何万年もの間に食うに困るような貧しい時代が続いていました。それがようやく二百数十年ぐらい前、産業革命の時代から少しづつ豊かになり始め二十世紀の経済成長を通じて飛躍的に豊かになってきた。
 しかしここに来てお金やモノがあっても幸せになるような訳にはいかないのでは・・・と心配する人が多くなっているようです。1980年代に米国の経済学者が云うには「高収入は幸福感と関係はない」と云うことを言われ始めましめました。そのころジャパンアズナンバーワンともいわれ驚かれたことご存知のことと思います。
 年収七百万を超えると幸福度が下がっていくらしい。ある程度の衣食住が満たされると、それ以上はどんなに働いても幸福度は上がらず、むしろ下がると言われる。
 2600年も前からお釈迦様が「有無同然」と云うことを説かれていた。
 有無同然とは お金、財産、名誉、地位等が有っても無くても心から満たされないこと
        には変わりはないと言うことを云うそうです。

        「有る者は金の鎖で、無い者は鉄の鎖で苦しんでいる」

                          平成30年3月      八大












有無同然 

お地蔵様

 子供とかかわりが深く、お地蔵さまと親しまれている地蔵菩薩は「釈尊入滅後、次代の仏である弥勒菩薩が五十六億七千万年の後に出現するまでの無仏の間、この五濁の世に出現して六道の衆生を救済する菩薩」と定義付けされている。
 と云うことは、地蔵菩薩は来世で浄土を約束する阿弥陀如来や、将来ずっと先に我々を導いてくれるに弥勒菩薩と違って今この世界(娑婆世界)でもだえ苦しんでいる非力な私たちを助けてくれる仏である。
 地蔵菩薩の本願
 この地蔵菩薩は、衆生済度のためにいくつかの功徳利益の誓い(本願)をたてているが、その中で代表的な十の利益として
 1 土地が豊饒で作物に恵まれる
 2 家内が安全である
 3 もし亡くなっても天国に生まれる
 4 現世ではできるだけ長生きできる
 5 願望がよくかなう
 6 水火の災難がない
 7 過ちやさわりを除く
 8 悪い夢を見ることがない
 9 旅行しても無事である
10 仏に巡り合うことが出来る

 地蔵菩薩は現在に於いて我々を守り、利益をかなえてくれる仏であるが「地蔵菩薩本願経」に地蔵菩薩が地獄に姿を現わしたり数々の地獄の名称や罪報を説いていることから次第に地獄救済の仏と考えるようになっていった。
 墓地やお寺の入り口などに六体並んで祀られている六地蔵は正式な経典の根拠はないらしいが地蔵菩薩本願経に「今、慈悲を興して一切の罪苦の六道にいる衆生を救済して不思議のことを述べんとす」と説くことから、地獄のほか餓鬼・畜生・阿修羅・人・天の六道それぞれの教化を受け持つ仏と考えられたようである。

                         平成30年3月     八大