お地蔵様

 子供とかかわりが深く、お地蔵さまと親しまれている地蔵菩薩は「釈尊入滅後、次代の仏である弥勒菩薩が五十六億七千万年の後に出現するまでの無仏の間、この五濁の世に出現して六道の衆生を救済する菩薩」と定義付けされている。
 と云うことは、地蔵菩薩は来世で浄土を約束する阿弥陀如来や、将来ずっと先に我々を導いてくれるに弥勒菩薩と違って今この世界(娑婆世界)でもだえ苦しんでいる非力な私たちを助けてくれる仏である。
 地蔵菩薩の本願
 この地蔵菩薩は、衆生済度のためにいくつかの功徳利益の誓い(本願)をたてているが、その中で代表的な十の利益として
 1 土地が豊饒で作物に恵まれる
 2 家内が安全である
 3 もし亡くなっても天国に生まれる
 4 現世ではできるだけ長生きできる
 5 願望がよくかなう
 6 水火の災難がない
 7 過ちやさわりを除く
 8 悪い夢を見ることがない
 9 旅行しても無事である
10 仏に巡り合うことが出来る

 地蔵菩薩は現在に於いて我々を守り、利益をかなえてくれる仏であるが「地蔵菩薩本願経」に地蔵菩薩が地獄に姿を現わしたり数々の地獄の名称や罪報を説いていることから次第に地獄救済の仏と考えるようになっていった。
 墓地やお寺の入り口などに六体並んで祀られている六地蔵は正式な経典の根拠はないらしいが地蔵菩薩本願経に「今、慈悲を興して一切の罪苦の六道にいる衆生を救済して不思議のことを述べんとす」と説くことから、地獄のほか餓鬼・畜生・阿修羅・人・天の六道それぞれの教化を受け持つ仏と考えられたようである。

                         平成30年3月     八大

 









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