イチロー選手の言葉

 先週21日にイチロー選手が引退を表明したが、会見を聞いていて特に残った言葉がありました。記者の質問で「生きざまでファンに伝わっていたら嬉しいことは・・?」という質問に対しての答えは。
イチローを見よ。
「人より頑張る事なんてとてもできないんですよね。あくまでもはかりは自分の中にある。自分なりにそのはかりを使いながら自分の限界を見ながらちょっと超えていくと云うことを繰り返していく。そうするといつの日か、こんな自分になっているんだっていう状態になって。少しづつの積み重ね。それでしか自分を超えていけないって思うんですよね。一気に高みに行こうとするとギャップがありすぎて続けられないと考えているので、地道に進むしかない。後退もしながら自分でやると決めたことを信じてやっていく。自分なりに重ねてきたことを見ていただけていたなら嬉しいです。」

 自分の秤を持つことは誰にでも必要なことだとは思いますが、こんな言葉があの記者会見の中で出てくるとは、やはり超一流の人でなければ出てこない言葉ですね。
 はかりと云う言葉を聞いて足利学校の玄関に飾ってあった「宥座の器(ゆうざのき)」を思い起こしました。

「宥座の器」とは
常に身近に置いて戒めとするという意味で孔子の説いた「中庸」と云うことを教えるものでして、壺状の器に水は入っておらず、空の時は傾き、ちょうど良いときはまっすぐ立ち、水をいっぱい入れるとひっくり返ってこぼれる。
 いっぱいに満ちて覆らないものはないと慢心や無理を戒めたことで足るを知ると云うことに繋がりますね。
                                                     
                     平成31年3月         八 大



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