ビヨンドミート

 このところ「ビヨンド・ミート(beyond・meat)」と云う言葉をあちこちで聞かれたことはありませんか? 「革命的な代用肉」

アメリカ・カルフォルニア州にある会社でビヨンドミート社が開発した、植物性のお肉のことです。近年、動物愛護や環境保護、自身の健康などの理由から、ベジタリアン(菜食主義者)やヴィーガン(完全菜食主義者)を実践する人が増加しています。イギリスでは、実践する人が170万人もいるというデータもあるようです。


今、世界的に「代替肉」が大流行の兆しを見せています。代替肉とは、その名の通り、豚肉や牛肉、鶏肉といった動物の肉を使わず、植物などの別の素材で代替したものです。この代替肉について、特に菜食主義者の拡大、環境面の配慮などから、急速にその市場が拡大しつつあります。その代替肉のトップランナーというべき存在がビヨンドミートです。肉を代替しようという動きはこれまでもありましたがその構成要素は植物由来のタンパク質であるエンドウ豆、ココナツオイル、玄米、ジャガイモ、ニンジン等の素材によって「肉」に置き換える仕組みです。

さらに、ビヨンドミートは味だけではなく、見た目にもこだわっており、販売される状態はなんと生肉のような見た目となっていまり、この状態から火を通すと、肉汁のような油を出しながら褐色に色づいていくというのです。この見た目から、世界で初めて精肉コーナーに並んだ代替肉にもなったといいます。最初の感想は、これ本当はお肉じゃないのと誰もが疑ったそうです。

「本当は肉が食べたいんじゃないの?」「食べたいのに我慢してしているなんてばかじゃないの?」などと揶揄したい気持ちも分かりますが、脱肉食の動機がそもそも肉や魚が食べたくなくなったからではなく、肉の美味しさを捨ててでも諸問題の悪化に加担したくないところにあるケースも多く、これが菜食主義者が植物肉を欲しがる理由の一つだからではないかとも思われます。

肉食や畜産に関しては、これまでも現在でも様々な観点から多くの問題が指摘されており、ハーバード大学の研究チームは赤肉や加工肉の摂取量が増えると死亡のリスクが高まるとの報告もあるそうです。また畜産業から排泄される温室効果ガス削減や、気候変動や地球資源など問題、動物愛護の観点からも植物肉への移行が進むとみられる。現在のわが国も急速にその方向に進んでいくものと見られます。

ところでビヨンドと云う言葉ですが「死後の世界」「超越」「〇〇の彼方に」と云う意味だそうです。いろいろな意味を持つ単語ですが、使い方によってかなりニュアンスの違う言葉ですね。手の届く範囲ではない別の世界、向こう側から来た、遥か彼方からやって来た等を意味するニュアンスで使われるそうですが、意を介すると異次元からの来訪者とも感じられますね。

 令和2年   弥生         八 大




















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