
前回に晩春についての続きみたいになりますが、やはり小津安二郎監督の名作映画にも「麦秋」のタイトルがあります。年頃の娘を持った家族に縁談を心配をしていたら、立てつづけに結婚話が舞い込んできます。生育の早い麦は手間いらずの孝行娘のようなもの、まさに実りの秋を迎えた娘の複雑な思いを原節子が演じています。小津安二郎と云う人は素晴らしい作品を残してくれましたが監督本人は良縁に恵まれず生涯独身で一生を過ごした。
麦に関する農作業の話

つまり、初夏は「麦の夏」であり、稲穂が頭を垂れる9~10月ぐらいは「米の秋」と云えるでしょう。米と同様に太古の時代から日本人の生活の中で重要な役割を担ってきた麦には、「麦秋」以外にもさまざまな季語があります。

さらに、麦が熟するこの時期に降る雨を「麦雨(ばくう)」、収穫の頃に吹くさわやかな風を「麦嵐(むぎあらし)」と云います。季節の移ろいを麦にまつわる言葉とともに感じてはいかがでしょうか。
ここで麦秋と云うと忘れてはいけない言葉に「麦酒(ビール)」があります。これは麦がたわわに実り黄金色の穂をつけ刈り取られ麦芽をアルコール発酵させて皆さんに届くというもので・・・これから先は私から説明することではありません。今では皆さんが日常的に愛飲されている国民的潤滑剤である飲み物です。この話は先々のお楽しみにしたいです。
令和2年 水無月 八 大
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