サラサモクレン(更紗木蓮)

更紗木蓮
春の花木と云えば、桜や梅を思い浮かべる人が多いとは思いますが、この時期に優雅な姿を見せてくれるのが 木蓮(モクレン)です。またまた古利根川沿いの片隅に見つけましたこれは大ぶりの更紗木蓮のようです。昔は木蘭(モクラン)と呼ばれていたそうですが、花の形が蘭に似ていたということに由来して名付けられたようですが今では蓮の花に似ていることから木蓮(モクレン)の方に定着しているようです。

この花は花の内側と外側の色が異なっています、内側は白い色をしていますが外側は薄いピンク色をしています。花の花びらは6枚あり花が咲き始めると葉が出て来て花を隠してしまうほどの大きさになります。木の高さが5m位にもなるので威厳があり丈夫で長持ちで立派です、また花は暑さ寒さににめっぽう強いそうです。

原産地は中国の雲南省や四川省の方ですが、庭木・公園樹として北米やヨーロッパ諸国でも広く栽培されておりますが、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)では国花として指定されております。また木蓮の花の蕾がなぜか必ず北を向くことから「コンパスプラント(方向指標植物)」とも呼ばれており、辛夷(コブシ)やネコヤナギもその仲間だそうです。春先の温かい日差しを受けて、蕾の南側が早く成長して膨れるために北を向いて来るそうです。

花言葉は「自然への愛・持続性」とありますが何かピンときませんですが実は驚きがあります。このモクレンは地球上で最古の花木と云われているのです。恐竜が生きていたとされる1億年前にも同じ姿で存在していたことが分かる化石が発見されているそうです。その姿を見て丈夫で長持ちするようには見えましたが、そこまで強い生命力が脈々と続いていたなんて想像は出来ませんでしたね。

令和3年 弥生          八 大











翡翠(カワセミ))

 あっ・・ 水際の高い枝に飛び移ったから、これから水中に飛び込むぞ! と大きなレンズの望遠鏡を抱えたおじさんが私に知らせてくれた。見つめているまに水面めがけて突き刺さるように潜り込む姿は水泳の高飛び込みの選手の様だ。見事に10㎝ほどの小魚を嘴に咥えると下段の小枝に移り何やら首を振っているところを見ると小魚を枝に打ち当てて飲み込もうとしているカワセミだった。

その姿と色彩は紛れもなく翡翠であるグリーンの濡れ羽いろの背中はその昔中国故宮博物館で見たヒスイ(翡翠)の色であり、茶いろの腹とのコンストラストは小さいながらも存在感がある。どうしてこんな色の取り合わせが出来るんだろう、この美しい外見から一部の愛好家から「渓流の宝石」とも呼ばれているそうです、不思議でならないね。

その姿はスズメより少し大きく長い嘴は、500系新幹線のノースデザインにそっくりに思えます。餌をとるときは水辺の石や枝の上から水中に飛び込み魚類やエビやカエルなどを捕食します。ときには水中ホバーリングしながらでも飛び込むこともあります。隣のおじさんの解説を聞くと水中に潜るときには目からゴーグル状の(瞬膜)を出し水中でも確実に獲物を捕らえることが出来るそうです。

こんな話を聞いたことがありますが本当ですかね。黒田清子さん(紀宮清子内親王)が山科鳥類研究所で熱心に研究しているテーマは「カワセミ」だそうで思い入れが深いそうです。宮内庁職員の文化祭に「川瀬美子」(かわせ・みこ)の名前で手芸作品を出品したことがあったそうです。

先月初めからときどき庄和公園の周りを巡回しておりカワセミのウオッチングしております。残念なことにカワセミの姿は確認してシャッターを押すことは出来ますが、私のスマホでは限界があり見せられるようなものにはなりませんので隣のおじさんのを戴いてお見せします。この時期鳥類の動きが活発で眺めていて楽しいです。シラサギ、アヒル、カモ、アオサギの巣作りとそれぞれが春の生産活動に精を出している様子は・・・頑張って~とエールを送りたい!

 令和3年 弥生          八 大






遊行期

 「遊行期の生き方について」

 作家の五木寛之氏から古代インドの理想的な生き方について、四住期(学生期・家住期・林住期・游行期)があることを聞いていたが最後の遊行期について私なりの解釈を述べたいと思う。日本は長寿社会の到来を受けて100歳以上の人口も7万人を超えたと云われております、その秘訣は常に健康維持に心がけ酒タバコを加減して適度の運動と腹八分目の食事が大切と云われました。その結果として長生きが出来ることになったのではと思います。コロナ禍の現在では蔓延しているストレスを減らすことが最も重要であることを感じております。

 生涯現役と云う言葉もありますが、そこまで仕事と関わろうとは思いませんがある段階になれば老後はのんびりと過ごし出来れば仙人のように過ごせれば理想ではないかと思っています。長生きは出来ても心身の健康寿命が大切です、大病を患って闘病生活や寝たきりの老後は辛い事ですが、精神的な若さを保った上で日常生活の身の回りの事も自分で出来る『 心身ともに健康体 』が理想です。その上で自分の生命に執着している現世の欲望を減らしていく事が出来れば一歩仙人の域に近付けるのではないかと思います。

 遊行期は人生の最後を積極的に生きる事を意味しています。この世の真理を知り、物質世界の煩悩を離れた生き方になります。日常生活から解放されて自由に生き、遊びの感覚で精神的に放浪する事を意味します。例えば晩年に隠遁生活をした、兼好法師や松尾芭蕉の様に自由な生き方をする事です。

 芭蕉の生き方 「奥の細道」や「野ざらし紀行」に見られますその生涯は素晴らしい熟年を送られたに違いありません。自分の過去を変える事は出来ませんが、未来は自由に変えることが出来ます。過去の事は思い悩まずに、今日からを楽しい事をすれば良いと思います。煩悩に振り回されて生きるのでは無く、生きる喜びと有り難さを感じて、今日を楽しく精一杯生きる事だと思います。その人生は僅か五十年でしたがその足跡は林住期、遊行期に多くを残しています。

 『 感謝・思いやり・称賛 』と言った他者への表現は、良い感情であり自分が幸せになる第一歩です。更に、この世で大自然の恵みにより生かされていると思えば、心が解放されて自分を癒す事にもなります。「病は気から」という諺の通りストレスを溜めないで、幸福感や満足感があり幸せな気持ちでいると免疫系が活発に働いて病気押さえられます。この様な遊行期の生き方をすれば、心身ともに健康で長生き出来ると考えられます。

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啓蟄の頃


 冬ごもりをしていた虫たちが姿を現すころを
啓蟄と云いますが、我が家でも毎年のように
訪問してくれるカエルが居ります。その名は
ヒキガエルの福ちゃんです。身体の大きさは12㎝ぐらいですがのっそりとしたその姿はユーモラスで動き出すと目玉をギョロッと動かし頼もしさまで感じます。そろそろ春の気配を感じて冬眠からゆっくりと目覚めてくれるのを待っていますが、例年ですと今月の末頃ですのでもう少し先になるでしょう。昨年は3匹の仲間がいましたが今年はどうなっているのか楽しみです。

啓蟄とは二十四節気の3番目にあたるもので簡単に言うと1年を24の区分に分けたもので、太陽の動きに合わせて設定しているため季節や気候に密接な関係を持ちます。身近には春分や秋分、夏至や冬至も二十四節気の一つです、季節に合わせて分けているので、その季節が来ると「暦の上では春」などと云われますね。けれども太陽の動きに合わせているものの二十四節気は古代の中国で生まれたもので、当時の中国の気候と旧暦に合せている。現在の日本は太陽暦を使用しているので今の季節より少し早いのが現実です。考えようによっては季節を先取りしていることになり、寒さの残るこの時期では明るい希望が持ててうれしい気がしますね。今年の啓蟄は3月5日から3月20日の春分の日の前日までになります。

啓蟄には冬囲いで使用したコモ(菰)を焼く習慣があります。松原団地駅東側に松並木がありますがこの時期に巻き付けられたコモが外されコモごと燃やすことで害虫駆除の効果があるとを云われていますが最近では害虫が入り込まずクモの住処になっているのでコモを巻かないことを考えているが、景観上の風物詩として残しているとも聞きます。

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