紅花(べにばな)

紅 花
ベニバナ(紅花)は、キク科の植物で、古くから染料や食用油の原料として利用されてきました。花は黄色から赤色に変化し、その色素は口紅や「衣装の染料」に使われてきました。また漢方では婦人薬として利用され、血行を良くする効果があるとされています。

江戸時代中期以降は現在の山形県の最上地方や埼玉の桶川や上尾、周辺で盛んに栽培されたと云います。山形の米沢藩では江戸時代の初期に紅花を買い上げ「紅餅」として商品化し京都や大阪に送っていたそうです。9代藩主の上杉鷹山の米沢織               にも紅花が用いられ県の花でもあります。

紅花栽培風景
乾燥させた花は紅花(こうか)と呼ばれ、血行促進作用がある生薬として薬としての活用され養命酒などにも含まれているそうですまた、ベニバナから作った生薬を体のツボなどの部位に塗る紅灸(べにきゅう)というお灸の一種もあると云います。

ベニバナの原産地ははっきりとは確定されていませんが、有力な候補地として古くから栽培されていたインドやエジプトと云われます。また  アザミ類の野生が多いアフリカ・ナイル川流域                ともいわれています。

山形地方では江戸時代に最上紅花の栽培が盛んでし               た。このため,山形県の県花に指定されています。


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蚕(かいこ)の話


蚕はカイコガと云う「ガの幼虫」ですが、「お蚕様」と呼ばれるほど、農家にとっては貴重な現金収入源だったそうです。蚕はミツバチと並んで飼育される珍しい昆虫です。そのため数え方も牛や馬と同じく一頭二頭と数えていたそうです。

飼育の目的はもちろん天然繊維の絹糸の採取、蚕の作った繭から取れた高級繊維で着物の材料になるだけでなく、海外への輸出品として日本経済を支えていました。けれども、女工哀史と呼ばれていたように、絹糸の製糸工場の女工さん達に過酷な労働を強いることになっていました。

日本の絹糸は丈夫で上質であり、卵や蚕も寒さに強かったため、ヨーロッパから遠路はるばるやってきて、卵を高い値段で買いにくる商人もいたようです。取れた絹糸では繭から取れる正絹(しょうけん)が最上級で、丸繭、くず繭とランく付けられていたそうです。最上級の絹糸から作られるのが紋付きの訪問着、繭から作られるのが紬などでした。

しかしどちらにしても庶民には手の出ないもの高級品で、庶民は綿の着物を着ていました。しかし戦後になって安く強く肌触りのよい化学繊維が登場すると、養蚕業は衰退してしまいます。今では一部の着物愛好家と高級洋服の生地で使われる伝統工芸の範囲にとどまっているそうです。

また、長野県の信州地方では、蚕が作る繭の中から取れた蛹(サナギ)は貴重なタンパク源として佃煮にされた瓶詰が販売されているそうです。


お蚕さん

蛹の瓶詰







        

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「タケノコ」 生活

 スーパーの店先に今年も「筍(タケノコ)」が並び始めましたね。この筍は広い意味ではイネ科のタケの若芽の事を指すそうです。地表に出たときには日に数センチずつしか成長していなかったものが、急に成長が早まって十日目ぐらいから急に成長が早まり数10cm~Ⅰメートルに達することもあり、成長の早い植物ですよね。

また「雨後の筍」とは良く言ったもので呼ばれるようにこの季節、雨が降ると次々とタケノコが急激に成長が早まる。雨後の筍                  とはよく言ったものですね。

この筍「古事記」にも登場することから、日本では古来から食べられて事が分ります。食物繊維が多く含まれており、ヘルシーかつ食べ応えがあり人気ある食材でした。新鮮な筍の頃は、生でも焼き物にしても美味しく食べられますね。ただし旨さを最大限に味わうためには切ってからー時間以内が目安と云われています。

・・と云うのも切った直後からえぐみが急激に増加しますね。 それを避ける為に、出来るだけ早く調理を行うのがコツだそうです。 この旬の時期、煮物は勿論ですが炊き込みご飯を食べると何故か母親に云われました。 「腹も身の内だからね」と云われたことが今になってその意味が分かったような気がする。

私は4歳まで中国・石家荘市に生活しており、その後日本に初来日した家族でいわゆる大陸からの引揚者の一員です。中国にいた頃にはそこそこの生活をしていたそうでしたが引揚者の一員となって、浮浪者同様に戦後の混乱期には物々交換の時代を経て
山法師(季節の花)
「タケノコ生活」
となった。そんな時代を超えて今に至りました。

タケノコ生活 とは、戦後初期の物々交換の時代に、筍(たけのこ)の皮を一枚ずつ剥ぐように衣類などを売って食いつなぐ生活であっ               たという。しかし、物々交換で手持ちの品物がどんどんと減っていくの見聞きした時には悲しい思いでしたね。

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ブロッコリー

ブロッコリー
 今、旬の野菜としてブロッコリーがスーパーの店先に並んでいます。アブラナ科の緑黄色野菜として生き生きとして店先に並んでいます。花蕾を食用とするキャベツの一種がイタリアで品種改良され現在の姿になっているそうです。           原産地は地中海沿岸で食用とするのは蕾の状態の花序(かじょ)と茎であり、和名をメハナヤサイミドリハナヤサイと呼ばれています。

日本へは明治時代初期に観賞用に渡来しましたが長く普及しなかった。戦後になって本格的に栽培が始まり消費が拡大して昭和50年代になってから健康的な食生活に関心が集まり、栄養価が高いブロッコリーが注目され食用として広まった。2026年度より消費量が多く国民生活に重要な指定野菜(消費量が多い野菜や多くなることが見込まれる野菜)として適応されている。

4年ほど前には猫の額のような畑に苗を育てて、いざ食べ頃となったころ自宅に戻った時に何とムクドリの大群(10羽程)が、ほとんど食べ終わり満足した様子で休んでいた。ムクドリへの態度には怒りを覚えたが、グッと心を静めて「・・・みんなみんな友達なんだ」 と怒りを鎮めたことがあったね!

普段に私達が食べているブロッコリーは“花菜類”の野菜でその頭頂部は蕾だそうです。アブラナ科なので可食部であるつぼみが咲くと菜の花のようになり、花そのものを食べる野菜を“花菜類”(かさいるい)と呼ぶそうです。花菜類には他に、カリフラワー、菜の花、フキノトウ、ミョウガ、花ニラなどがあります。

花菜類は全般的にビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれていますが、中でもブロッコリーは特に「カロテン」が豊富です。また、ブロッコリー出荷量は過去のデータを見ると何と北海道、愛知に次いで、わが埼玉は3番目で有難いことですね。

カロテンとは、緑黄色野菜などに含まれる植物の色素で、体内でビタミンAにる物質変換される物質(プロビタミンA)のことです。代表的なカロテンはβ-カロテンで、強い抗酸化物質としても知られています。


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