カイツブリ(鳰)

―遂に一個の卵は孵らなかった。―


先ごろから古利根川の私の散歩道であるユリノキ橋の澱みの中にカイツブリの浮巣があり小さな二羽の雛が時々親鳥の羽の下から首を出しいている姿を見つけました。親鳥はジッと構えており全くその動きはなく五分十分そのままでよく目を凝らさないと鳥がいる事には気づきません。
今朝改めて見るとどうやら一個の卵をあきらめた様子が伺えられる。
沢山いるカイツブリ・ウオッチャーに聞くところによると先月の末頃、二羽のカイツブリが澱みの中に浮巣を作ってから約3週間じっと我慢の親で居て送り盆の16日に二羽の雛が生まれたらしい。しかし浮巣の中にはまだ一個の卵が残っており一生懸命に孵そうとして無念無想の構えで親としての責任を果たそうとしていた。今日で10日間なんとも心打たれる風景でしたがよく見るとを卵がありませんでした。やっと諦めたようでした。



カイツブリの生息地は日本各地にありその姿は一年中見られており、親になっても25㎝位の小さなもので、奈良時代には「にほどり」と称されていた。漢字の「鳰」も水に入る鳥を意味する和製漢字と云われている。 キリリリリとの鳴き声
 琵琶湖は古来からカイツブリが多かったからか「鳰海(におのうみ)」の別名があり滋賀県の県鳥に制定されているそうです。

その生態は最近変わって来てヨシの林の中から人の目に触れるところでも浮巣を作っていることが目立ってきたと、野鳥の研究者が話している。それは都市化された環境の中でも逞しく生きていくことで否が応でも生活をしていかなければならない所に来ているのかもしれない。駅前に住みついているムクドリを見ているとあちらの方が一枚上ですがね。
                    
                                             平成29年8月27日   八大

































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