「急須」のはなし
先日古くからの友達から陶器の展覧会の切符を頂いたので覗きに伺った。彼は会社を定年を迎えるとすぐに趣味の陶芸の道に入って「急須(きゅうす)」造りに専念している。
急須の原型は中国で発明され、茶を飲む習慣がある文化圏であるアジアでは古くから使用されている。地方によっては「急尾焼(きびしょ)」とも呼ばれた。
「急須」という呼び名は、中国三国時代の呉の方言で酒を温める器、「急尾焼」は福建の方言で湯を沸かす器のこと云ったらしい。
「急須・急尾焼」は本来中国で湯沸として用いられていたものを茶を出す道具に転用したのは江戸時代の中頃、儒学者の高芙蓉と云う人が広めたようです。
湯沸しに用いられるやかんは、漢字では「薬罐」となることからも分かるように、元来は薬湯を煎じ出すための器具である。
茶を注ぐ道具は取っての位置や有無によって四種類に分類される、本来は急須と呼べるものは横手の物のみと云われていたが今では拡大解釈されているようです。
1 横手(よこで) 注ぎ口を正面に見て右横に取ってがつく。大きく傾けて中身を注ぎきる
際にふたを抑えることを含め片手で使いやすい。
2 後手(うしろで)注ぎ口を正面に見て後方に取ってが付く。中国茶や西洋の紅茶のティー
ポットなどに良く見られる。茶壷をもとにしているといわれる。
3 上手(うわで) 本体上部につく。本体と一体化しているものと、別個に取り付けるものと
がある。別個に取り付けるものはいわゆる土瓶であり取っては弦という。
4 宝瓶(ほうひん)取ってのない急須のようなもの。泡瓶とも書く。基本的には玉露などを入
れるときに使用する。紅茶や中国茶では使用しない。
余計な一言 朝早く起きられた時には時間に余裕をもって、ゆっくりとお茶をたしなむこと
も考えては如何ですか。
平成29年10月 八大
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