社日と云う言葉は知らない人が多くなっていると思います、前後にある祝日に埋もれてしまって、最近ではその影がますます薄くなっており昭和の時代が益々遠くなっていることを実感してます。春分(3月21日頃)と秋分(9月23日頃に最も近い戊(つちのえ)の日を「社日」と云います。令和2年春の社日は3月16日で秋の社日は9月22日になります。その土地の神様を祀る日とされております。
社日(しゃにち・しゃじつ)
その由来ですが春の社日の頃は種まきの頃であり、秋の社日の頃は収穫の頃にあたります。そんなことから社日は重要な節目と考えられ、春は五穀の種子を供えて豊作を祈り、秋には初穂を供えて収穫を感謝するようになりました。
社日を祝う習慣は元来中国にあり「土」と云う意味がある「戊(つちのえ)」の日に豊作を祈願するするもので「社」とは土地の産土神(生まれた土地の守護神)のことを表しています。この風習が日本に伝えられると、土地の神様を信仰する日本の風土に溶け込み、重要な農耕儀礼として全国に広がったと云われています。
社日は「土の神」を祀るので、この日は農作業など土をいじることを忌む風習が各地にみられます。信州・上田平の地を訪ねた時には「お社日様は」春は神迎え、秋には神送りとして餅をついて祝っていることが現在でも行われております。そういう昔からの風習が残っているところを訪ねると改めて日本人としての歴史や民族の誇りを感じますね。
令和2年 長月 八 大