梅干しの話

 今年も近くの農家の庭先では梅の木がたくさん実をつけています。梅は古来より身近に親しまれている植物で梅干しとして無くてはならない食品でもあります。

梅干し
「塩梅(あんばい)」と云う言葉がありますが、これは元々梅の塩漬けがうまくいったことを表していて、その加減や調整がうまくいったときに使われています。 

お花見と云えば現代では桜の花を見ることを指していますが奈良時代より以前は花見と云えば梅の花を愛でることだったそうです。平安時代の半ばごろから、徐々に梅の人気を凌ぐようになり、江戸時代ごろからは「花見と云えば櫻」が定着していったそうです。

梅の花が咲くのは二月ごろから四月にかけて実が赤くなるのは六月のこの時期ですね。その梅の実は梅干し・梅酒・ジャムなどに利用され、おにぎりやお弁当には欠かせません。強い酸味が特徴でクエン酸が豊富に含まれていることから健康食品として愛用されていますね。

私が子供の頃夏の暑い日に、祖母がコメカミノところに梅干しを張り付けて夕食の支度をしていたのを見て何のお呪いなの?・・と聞いたことがありました。すると即座にこれは攪乱除けだよと云われ、忙しいんだからアッチへ行ってなさいと相手にされませんでしたね。そんな梅干しの思い出がありましたネ。

元々梅干しは湿布のように貼る薬のようにコメカミに梅干し片を貼りつけ、頭痛や癇癪の治療に使用されたり漢方薬として梅干しを黒焼きにして腹痛、駆虫薬(体内に寄生している虫の駆除薬)解熱、腸内の消毒などに用いられ、当時では人々にとって欠かせない薬で、ご飯のおかずや酒の肴としても愛されていたと云う

水無月           八 大








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