レバノン杉
先日小石川植物園を散策しました。園の中ほどにヒマラヤ杉の大木があり見るからに堂々として威圧感がありました。足元を見ると鳥のいたずらかも知れませんが、青々とした2cm程のどんぐりのようなものが落ちていました。帰宅して調べると雄花であることがわかりました。
日本ではヒマラヤ杉と呼ばれておりますが中東の地、チグリスユーフラテス河の上流に栄えたメソポタミヤ地方ではレバノン杉と呼ばれています。
紀元前2500年頃古代エジプト・古王国時代、ファラオであったクフ王のピラミット近くで「太陽の船」と呼ばれる40Mを超える大型木造船が1954年に発見されているが、材料はレバノン杉が使われていました。その30年後吉村作治先生達が電磁波レーダーを使って第二の船も発見されております。
現在では長い間の乱獲のためその数は激減しており、この地域のレバノン杉は保護対象となっているそうです。
又この大木の杉はレバノンの国旗に描かれていて国民の宝となっています。
長い歴史の中で遠く離れた大地に同じ空気がどこまでも繋がっていることを思うと、この小さな雄花を身近なものとして愛おしく感じらます。
八大