穴 子(あなご)

穴 子
「穴子」は皆さん後存じの通り1メートル近くにもなる細長くヌルヌルした体が特徴です。姿かたちは鰻ととても似ていますが体全体に鱗がなく、淡水にすむ鰻と違って海で一生を過ごす魚類です。うなぎに比べ脂質が少ないあなごは淡泊な味が特徴なので、天ぷらやお寿司などで食べるのがお勧めで夏が旬だそうです。

 夏の時期、愛知や兵庫、島根、長崎と西日本の漁場で多く水揚げされる為、関西方面では穴子を使った料理が豊富で「焼き穴子」を基本に、「穴子丼」「穴子茶漬け」があり白く透明な穴子を、生(なま)か湯通しして食べる、穴子の「のれそれ」など様々な食べ方があります。穴子は鰻と同じように脂と栄養価が高くビタミンAや、ミネラル、DHAを豊富に含んでいるそうです。

醬油ベースの汁に浸した穴子をウナギのように焼いて食べるのが関西風。天ぷらのほかに、醬油汁で煮た穴子を寿司にして食べるのが関東風とよく言われています。最近では国内での穴子の漁獲量が減少し、輸入品が増えているそうですが穴子は鰻と同様に暑い日本の夏には欠かせない滋養食材の一つと言えますよね。

脂質やビタミン類は鰻よりも少ない穴子ですが、たんぱく質やミネラル類はうなぎと同等かそれ以上! あなごも栄養価の高い魚なんですね。また、うなぎより安価で手に入れることができる点も魅力的です。穴子は一生を海で過ごす魚です。日本全国各地に生息しているので、身近な魚のひとつだと言えます。        鰻に比べて廉価な穴子、この夏にお勧めです!。


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山背(やませ)とは

「やませ」
毎年6月~8月ごろに、北海道、東北、関東などで吹く北東の風の事を「やませ」(変東風)と云うそうです。この風は、冷たい親潮の上を吹かれてくるので、冷たくて湿った風となり冷害をもたらすことがあると云います。

特に田んぼで育てる稲にとっては、穂が出たり開花したりする大切な時期なので、山背によって気温の低い日が続くと、大きな被害(冷害)が出てしまいます。昔から冷害風とか餓死風と呼ばれて恐れられて来た風です。

また東北には晩春に遅霜という現象もある。大気中の水蒸気が氷の結晶となって地面に付着するもので、夜間に晴れるときに起きる放射冷却で発生しやすいと云います。昔の話になるが30年以上前だが、キウイフルーツを栽培している農家が対策として農園で古タイヤを燃やしていた。地面に霜が降りる量を少なくするための工夫だったのだ。この遅霜もやませも短期間ながら毎年起きる現象で、ときには深刻な冷害をもたらしたと云います。

やませは漢字で「山背」と書くが、春から夏に吹く冷たい偏東風のことを云うそうです。親潮の上を通過した寒風は太平洋の北東から東北地方に入り込み、それが停滞してしまう。というのも、その下層雲の上に高温の高気圧があり、頭を押さえつけられて奥羽山脈を越えられないのだ・・とも。新潟地方が25度の日に東北は19度くらい、これが山背現象です。

ついでに書けば、東北には晩春に遅霜という現象もある。大気中の水蒸気が氷の結晶となって地面に付着するもので、夜間に晴れるときに起きる放射冷却で発生しやすい。

昔から「冷害風」とか「餓死風」と呼ばれている風です。

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風 鈴

今年の夏はどうなっているんだろう? 気象庁は7月の3日に梅雨が明けたようなことを言っていたようでしたが・・・❓ その後は何となくムニャムニャとなっているようで今日になってもハッキリとしたコメントはありませんね。

急激に襲ってきたこの熱波はどうしたものか、夏が熱いのは承知しておりますが、この頃身に応えますね。6月の後半から続く熱波は最近には味わったことの無い経験です。この異常気象が天変地異に繋がらなければ良いですが・・・心配のし過ぎですかな? ヒマラヤ山脈地方からの熱波ではと・・思い過ごしかも。

 気象庁は何とか、かんとかして異常気象の説明をしているようですが・・・何か納得は出来ません。一時は早い梅雨明けの話もありましたが東海地方まででその後はどうしたものか、じっくりと様子見の状態が続いて何となく今週半ばの発表を予定しているように感じられますね。気象庁も・・大変ですね。

ここで気分一新にと、物置に片付けられていた何の変哲のない一個の風鈴、久しぶりに音色を確かめると、涼し気に出番を待っていてくれていたこの音色。目と耳で味わえる久しぶりの音色は遥か遠い思いを伝えてくれます。むかしむかしの古い思い出が浮き出て来て、更に「涼」を感じられる夏の風物詩です。

夏を知らせる風物詩【江戸風鈴】で日本の音色を楽しもう|THE ...
我が家の風鈴
風鈴は、短冊が風を受け揺れることで音が鳴りますが日本人は風鈴の音色を聴くことで、風が吹いている涼しい・・と連想させる。また風鈴は異なる高さの音が重なり合って聞こえてくることから、その音の揺らぎにより脳がリラックスした状態になる様に感じられます。

その起源は、古代中国の風の音で吉凶を占う道具「占風鐸(せんふうたく)」であるとされています。これが仏教と共に日本に伝わり、寺院の軒先に吊るされる風鐸となり魔よけの器具としても好まれたようです。その後に風鈴という呼び名が使われるようになったと。江戸時代にはガラス製のものが作られ、夏の風物詩として広まったと云われています。


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半夏生(はんげしょう)

疲労回復に 
半夏生(ハンゲショウ)は、初夏に葉の一部が白く変化するドクダミ科の植物です。梅雨の時期に水辺や湿った土地に群生し6月下旬頃になると、花に近い上部の葉の部分が半分ほど白く変化します。これは花びらではなく葉、そのものの色が変わる現象です。半夏生の花は小さく目立たないため、葉を白くすることで虫たちの注意を惹きつけ、受粉を手伝ってもらうという植物の賢い戦略だとか?

夏至から11日目頃のことを言い、今の暦では大体7月2日前後が半夏生となりま

す。なんと半夏生の間は天から毒が降るとされていたそうで、昔はこの期間ま

でに田植えを終わらせておく必要があったそうです。半夏生は農家にとって大

切な節目の日とされていていたそうです。


半夏生までに 田植え完了を
また半夏生にタコを食べるという風習はあるものの、「半夏生って何?」「そもそもなんて読むの?」と思われる方も少なくはないかもしれません。半夏生は季節の移り変わりを表す雑節のひとつです。夏至から11日目頃のことを言い、なんと半夏生の間は天から毒が降るとされていたそうで、昔はこの期間までに田植えを終わらせておく必要があったと云います。半夏生は農家にとって大切な節目の日とされていたんですね。


半夏生が農作業にとって大切な日という事は分かりましたが、どうしてタコを食べるのでしょうか? 農作業とタコ、全く関係がないように思いますが? ではタコの足を想像してみてください。タコの足は8本あって吸盤がたくさんついている。そのため田植え後の稲がしっかり根付いて離れないようにという願いを込めて、この季節の旬であるタコを食べたと? 確かにタコの足のような根っこならしっかりと根付いて強い稲が育ちそうな気がっしますね。


また、食べる物は違っても半夏生に関する風習は今でも各地に残っているようで、タコではなく、サバうどん芋汁などを食べる地域もあるそうです。最近はタコの値段が高くなった(何で❓)ようですが栄養豊富な食材で疲労回復などの効果もあると云います。これからやって来る夏本番タコをお忘れなく!


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