梔子(くちなし)の花

くちなしの花
 今を盛りに古利根川べりの桜の木の下に脂粉の薫りを漂わせているのは山梔子の花です。毎年この時を目指して芳香豊かに我が存在を誇っているが桜のあとでは存在感は薄い梔子です。

「梔子」の名前の由来は諸説あるそうですが、一説に「果実が成熟しても実が開かない」それで「くちなし」と云われたとか。平安時代初期の「古今和歌集」の歌にも「山吹の 花色衣 主や誰 問へど答えず くちなしにて」(素性法師)という歌があるそうです。また「嫁にもらうくちなし」と言って、女の子がいる家は植えてはいけない風習もあったとか・・?。

「梔子」の花言葉、「私は幸せ者」「喜びを運ぶ」など、ポジティブなものばかり。」醇な香りと「幸せ」のイメージはぴったり。白一色の「梔子」は西洋では「天使が地上に降ってきた花」と云われ、とても縁起のよい花といえます。

アメリカでは男性から女性にダンスのお誘いとして贈られる花で、甘い香りが女性の喜びや幸せを表しているとか。花言葉の「とても幸せです」はここから付けられたといわれています。

一方、日本では、名前の由来になっている「実が熟しても口が開かない」様子から「音をあげない」「まっすぐに黙々と努力する」と吉花とされる一方で、「くちなし=くちがない」と疎まれる習慣も…。「死人に口なし」という言葉もあるため、怖いイメージをもつ人がいたのかもしれません。

遠い昔、誰もが口ずさんだ「くちなしの花」ありましたね!

 雨 月       八 大  




鯨岡兵助 先生

 鯨岡兵輔 先生

「戒石名」
福島県の二本松の城址にある石碑の文であります。世に「戒石名」であります。その昔この城の武士は登城や下城の際に必ずこの碑を見たことであろう。なんじが俸、なんじが禄、と同じことを二度言っている。そして民の膏、民の脂と二度繰り返している。現在の言葉で言うならば、お前の月給は、お前の給料は、民百姓の汗だよ、あぶらだよとう意味である。百姓が働いて米を作り、その米を武士は俸禄として領主から頂いたのである。

士農工商と云って、武士は一番の上の階級に属してはいたが、生産には携わっていなかった。しかし、もし領地を侵す外敵があれば、その命を賭してそれをこれを防ぐ任務が武士にはあった。その任務を尊いものとして非生産の武士が尊ばれたのである。

しかし、武士は己が非生産のものであることを忘れず片時も忘れず、自分達は百姓の労苦によって給料を得、生かされているのだと云うことを常に考えていなくてはならない事と訓えているのである。

下民は虐げ易く、上天は欺きやすし                       武士どもよ、考え違いするなよ、百姓や町人は身分として低い者であるから、いじめたり馬鹿にしたりすることは、必ずしもできない事ではないが、そんなことをしたら、天がそのその行いを許すまい。天を欺くことは出来ないと心得よと!            


 水無月       八 大          


   





 


カマキリ

カマキリ

 最近はカマキリの姿を見かけることが少なくなりましたが日本には約11種類が生息しているそうです。私たちがよく見かけるのは大カマキリで、他にハラビロカマキリ、コカマリ、ウスバカマキリなど五種類がいるそうです。カマキリの特徴と云えばあの鎌状に変化した巨大な前足です。最大の武器となる前足を使って昆虫だけでなくカエルやトカゲと云った両生類や爬虫類を捕まえて食べる捕食昆虫です。

大カマキリは大きい物では体調が10cm程に成長して我が家にも時々顔を見せてくれます。外敵が少ないことからと思いますが比較的住宅地に近いアスファルトの道路上や、ブロック塀の上で堂々と姿を見せチョロチョロと動いているトカゲを捕えている姿を見つけることがあります。

人と向かい合っても逃げ出さず巨大な鎌状の前脚を持ち上げて威嚇する姿は、まさに昆虫界の王様にふさわしい出で立ちです。秋口になると身体の大きい雌のカマキリは泡状の麩のような形をした卵鞘(らんしょう)を草木茎に産み付けます。卵鞘の中には数百個の卵が入っており卵を外敵や気候の変化から守っていると云う。

捕食中カマキリ
雌のカマキリは交尾の後に卵を産み、栄養をつけるため・・? 雄カマキリを共食いすることが知られていますね。当時はカマキリ婦人なんて言葉が世の中を騒がしていたことがありましたね。そして一カ月ほど過ぎると、卵鞘から黄色く小さなカマキリの子供たちが生まれてくるのです。

カマキリのオスは最後にはメスに食べられ、その存在すらなくなってしまうのです。         

カマキリって凄いですね~怖いですね~。  


 水無月           八 大