水神信仰 全国各地に
七月上旬から降り続いた西日本大水害は平成に入って以来の大災害となったことは、改めて水による災害の恐ろしさを思い知らされました。アマゾン河のポロロッカで知られているような、河の本流から支流に向かって逆流していく様は日本では考えられなかった異常現象でありました。
古来日本人の自然崇拝の考え方は太陽神をはじめとして風、火、水・・の神様に対しての畏敬の念が表れていたものがありますが、特に身近な信仰としての水神様は人間が生きていくうえで最も大切な事であったと思います。
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兵頭神社の水龍頭 |
以前、水道の蛇口はなぜ蛇の口と書くのかということを調べていると全国各地に龍神或は水神伝説が残っていました。それぞれの水源から集められた水は水道管を通して各家庭の端末の蛇口に届けられます。現在では当然のように思われていますが、各部落毎に水路の掃除や水争いなどもあり大変な時代がありました。末端の口を蛇口と云うようにそこには龍神さんが居ていつも綺麗にしておくものだと親から言われたものでした。神社やお寺などでは蛇ではなく龍の口から水が出るようになっているところも多くありますが、中国では水龍頭というそうです。
どうして「蛇口」と云う言葉がつけられたのか?また「蛇口をひねる」ではなく「蛇口のハンドルをひねる」が正しいのでは?蛇口とは・・水道管の先端に取り付け、水の量の調節や開閉するための金属製の道具であり、明治20年頃の横浜で、近代水道が給水を開始したのが始まりだそうです。道路の脇に設けられた共用栓から水を出す英国式は、ヨーロッパで水の守護神が「ライオン」だったため水道の口に取り付けられていたようです。日本で共用栓を作るようになるが日本や中国では水の守護神と言えば「龍」であり空想上の生き物で、その元になったのは「へび」である。それを「蛇体鉄柱式共用栓」と呼んだそうです。時代は流れ共用栓が専用栓へと変わりその後、蛇体鉄柱式共用栓の先端部分を子供(龍の子)という意味で「蛇口」と云った。その蛇口は守護神として侵してはいけない領域で人が生きていくために守るべき大切なものであるといった意味がのせられていたようです。そういえば神社の手水は龍の口から水が出ています。あれが大元と考えられるわけですね。そんなわけでヘビのようだから蛇口と云う言葉ではなく水をひねり出す道具全般に使われるようになりました。忘れてはいけないのは、毎日守護神様のおかげで有り難く水が頂戴できるという感謝の気持ちを持つことですね。
ここで一言 蛇足と云う言葉について 昔、中国の楚 (そ) の国で、蛇の絵を早く描く競争をした時、最初に描き上げた者がつい余裕に任せて足まで描いてしまい龍になってしまい負けとなってしまった。付け加える必要のないものを足したことで「蛇足」、無用の長物と云われる。
平成30年7月 八大
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