「早春賦」
春は名のみの 風の寒さや 谷の鶯歌は歌えど
時にあらずと 声も立てず 時にあらずと声も立てず
大正の初期に長野県安曇野を訪れた作詞家の吉丸一昌が穂高町あたりの雪解け風景に感銘を受けて、この早春賦の詩を書き上げたとされています。日本の唱歌で長く愛されてきた名曲の一つです。「春は名のみ」と暦の上で”春”になったばかりの季節を歌うこの曲の一番はとても有名ですが三番の歌詞までご存知の方は少ないのではないかなと思います。
春と聞かねば 知らでありしを 聴けばせかるる
胸のおもいを いかにせよとの この頃か
いかにせよとの この頃か
春だと聞かなかったら気付かなかったけれど聞いてしまったからには心がはやる。このそわそわして落ち着かないこの気持ちをどうしたらいいのか・・・。春を待つこの季節の微妙な心理を見事に表現したこの三番の歌詞から「早春賦」の魅力を再発見したのです。春爛漫の季節も確かにいいのですが「春の訪れ」をひとつひとつ感じられる早春ならではの楽しみを見つけてみては如何ですか。
令和4年 如月 八 大
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