夏越の祓い(茅の輪くぐり)

「水無月の夏越の祓いする人は、千歳の命延ぶると云うなり」


全国各地の鎮守社では毎年六月三十日に「大祓い」の行事を行いますが、今年前半の穢れや災いごとを払うとして茅の輪くぐりを行います。その昔素戔嗚尊(スサノオノミコト)が身分を隠しての旅の途中一夜の宿を探したところ裕福な巨旦将来の家で断られたが、貧乏であった蘇民将来の家に心優しい御もてなしを受け泊めてもらった。その善行の御礼にと云うことで「もしも疫病が流行したら茅の輪を腰に付けると免れる」と云われた。東北の田舎に行くと今でも玄関の柱に蘇民将来の木札を見つけることがありますよ。


そんなことから無病息災を祈る行事として鎮守社に取り入れらたものと思われます。
                                                        八大

茅の輪くぐり
春日部八幡宮
神明宮
                                                        
写真:
定家鬘

定家鬘(ていかかずら)藤原定家は百人一首に出てくる秀でた歌人ですが、その人の名の付いた

つる草の名前が定家鬘です。
式子内親王を愛した藤原定家が彼女の死後も忘れられず、つる草に生まれ
変わって式子内親王の墓石に絡みつくという話があります。
よく女性は怖いと言われることもありますが、男もいるんですね~。
毒のある植物ですが今の時期可憐な香りを出して飛んでいる虫を誘っています。
                                            八大

紺珠

紺珠(かんじゅ)とは
 私は二十歳の頃詠んだ、森鴎外の『ヰタ・セクスアリス』の文中に紺珠という備忘録を持っていることに興味を持ちました。その後いろいろ手を尽くして紺珠の意味を調べて結果・・・それにあやかり自分の備忘録として半世紀以上名前を借りて使わせて頂いております。
紺珠と張説
 張説という少年は勉強と人助けが大好きであった。ある日張説が助けた老人は青色に薄い紅が浮かび上がる珠をお礼に与えた。最初は貰うのを断ったが老人はこの珠の説明を始める。
 老人が云うには紺珠は勉強や執筆活動に於いてこの珠を手に握っていると自分の記憶について思い出すことが出来るという。更には日頃から愛でていれば神経が磨かれ一度見たことは絶対に忘れることなく思い出せるというのだ。老人はそう伝えた後紺珠を彼の手に捻じ込むように渡し虚空に消えた。
 老人が消えるのを見て張説はこれは神が私に与えた報いなのだと思った。それ以降彼は大切に死ぬまで肌身離さず紺珠を携帯した。その後の彼は朝廷の役人になり、筆においても文においても詩においても中国中にその名を轟かせたという。(当時のメモより)
 今の時代紺珠など持たなくても何十年もの歳月を積み重ねた日記が、例えばブログのようなデータになっていれば検索機能を使ってすぐに当時の言葉にたどり着くことが出来る。それどころではないインターネットは全世界の人々の記憶を、何の労もなく自らのモノとすることが出来る。
 これからもインターネットという巨大な記憶装置は私たち人類の生活にとって無限の可能性をもたらしてくれることでしょう。                                                                 平成28年2月  八大