「熊」の話

青森県下北半島の地で熊に出会ったことがありました。それは下北原発(しもきたげんぱつ)の真向かいにある山裾をノロノロと走っているときに、藪の中から何と熊が出てきた。よく見ると体長が50㎝ほどの子供の熊でヨチヨチ歩く程度で歩き出しました。仲間の一人が、早く逃げろ!と声をかけてくれたのを合図に速度を上げると、親熊が現れジッと睨みつけていました。小熊がいる時の熊は特に注意が必要だと云われました。

 日本に生息する熊が今年は何かと話題になりましたね。民家の物置に入って3日間も捕獲できず住民の人は新聞沙汰になり大騒ぎでした。北海道では「ヒグマ」本州などでは「ツキノワグマ」がよく知られております。雑食性で動物の肉や果実、木の実などを食べ、寿命は二十年から三十年ぐらいと云われております。

古来より漢方薬として熊の胆のうを原料にした「熊胆(ゆうたん)」が強壮剤や解熱剤として、熊の手のひらが高級食材として、熊の掌が珍重されてきました。また昔話の「金太郎に登場したり」、年老いた熊は鬼熊に変化すると云う言い伝えがあったりと、日本人になじみの深い動物として知られています。

近年では山間部と人間の居住域を分ける里山が失われているため、冬ごもりの食料を得ようとした熊が人里で人間と接触したり、農作物を食い荒らしたりしたりする問題が深刻化していますね。野生の熊たちにとっては云いたいことは一杯あるでしょう。これからは自然保護と日本社会に根差した問題として取り組まなければならない問題であります。

 師 走             八 大              





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