蟷螂生(かまきりしょうず

 農作業の目安になる七十二候(農事暦)の中にカマキリが出て来るのは何でだろうと、いつも考えていましたが、何年か前に分かりました。それは稲や野菜には手を付けることなく害虫を捕まえてくれるからだろうと思えます。前足が鎌状に変化し、ほかの小動物を捕食する肉食性の昆虫であります。漢字では蟷螂(とうろう)と書くが鎌切(かまきり)です。鎌で切るから鎌切ですよ。

体は前後に細長く、6本ののうち前脚は大半がに変化し多数のがある。頭部は逆三角形で2つの複眼と大顎が発達しており、頭部と胸の境目は柔らかいため頭部だけを広角に動かすことができる。目玉が異様に大きく見え得体の知れない怪獣のようであるが、近寄ってよく見ると何とも可愛らしさも感じられる。毎年のようにデコポンの木に卵を産み付けていたが今年は来てくれなかった。

食生は肉食性でバッタやキリギリス、トンボ、クモ、カエル、トカゲ、ミミズなど捕食するのは生餌に限られ死んで動かないものは食べない。天敵や自身より大きな相手に遭遇した場合には、身を大きく反らして翅を広げ、前足の鎌を大きく振り上げて威嚇体制をとる。全体がもっと大きければその姿は怪獣そのものです。

韓国に「蟷螂の斧(とうろうのおの)」という故事があります。斉の国の君主だった荘公はある時馬車で出かけたが道の真ん中に一匹のカマキリがいて、逃げださず前足をふりあげて馬車に向かってきた。荘公はその勇気を賞して、わざわざ車の向きを変えさせカマキリをよけて通ったと云います。君主が一匹の虫に道を譲ったこの故事は日本に伝来し、カマキリは勇気ある虫とされた。戦国期のには、カマキリの形を取りつけたものがありました。現在の日本では意味が転じて己の無力を知らない無謀さを揶揄する場合に用いられています。

例年ならそろそろ京の都にも毎年恒例の「コンコン・チキチン」と祇園ばやしの音が聞こえて来る筈でしたがコロナ禍のお陰で、あの絢爛豪華な祇園祭も残念なことで今年は中止となりました。「蟷螂山」という山は「蟷螂の斧」の故事を元としたもので、からくり仕掛けで動くカマキリが載っていて人気がありますが、確か昨年は一番くじを引いて長刀鉾の次に巡行に加わっていましたね。
災厄をもたらす疫神を鎮めるために、町中
を練り歩いたことが始まりといわれています。

 令和2年   水無月       八 大




















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