老いの僥倖 (思いがけない幸せ)


終戦間もない昭和22年「読書の力で文化国家を作ろう」との決意のもとで11月17日から第一回の「読書週間」が開催されたと云います。翌年の第二回からは文化の日を挟んで2週間と定められ全国に広がって今に至りますが、最近ではケータイ・スマホの急激な普及によって本を読むことが少なくなっているそうです。
手帳に挟まっていた図書カードに気づき何気なく手に取った本が「老いの僥倖」という本、これは女性の論客である曽野綾子さんの書かれた話題の作品である。
多くの短文をまとめたもので、その一説一説ごとに頷いたり全く同感だったり自分で思い当たる事ばかり、素晴らしい言葉の質感を感じてしまいます。これこそが私にとっての僥倖と云うのでしょう。

 「見出しだけ読んでも面白い」
  ◎ 肩書のない年月にこそ人は自分の本領を発揮できるもの
      ◎ 人間は苦しいことがあればあるほど上等になる
        ◎ 人生には立ち止まる時がなければならない
          ◎ 人間が熟れてくるのは中年以後である
          ◎ 一生に与えられる幸福の量はみな同じ
          ◎ 「病気は予防できる」とは思い上がり
            ◎ 人は会った人間の数だけ賢くなる
              ◎ 終わりがあるのは救いである
           ◎ 体が衰えて初めて分かることがある
          ◎ 孤独を味わわないと人生が完結しない
          ◎ 人間はただ辛くて頑張れない時もある
          ◎ 健康が目的ではないそれは手段である
          ◎ 一生に与えられる幸福の量はみな同じ
          ◎ 「病気は予防できる」とは思い上がり
        ◎ 外見が衰えるころから輝きだすものがある
◎ いくつになっても気の合う人と食事が出来れば、人生は成功


                          平成29年11月   八大












石原裕次郎(ああ没後30年)

裕次郎を称える碑
横浜市鶴見区に曹洞宗大本山總持寺がありますが、七堂伽藍と墓地を合わせたその境内の面積は10万坪と広大である。
その墓地の一角に石原裕次郎さんが永眠して居られます。昭和を代表する稀代な映画スターでしたが52歳の若さで亡くなられてから今年で30年になるそうです。
今でもそのお墓の花立には生花が絶えることがなくきれいにお掃除が行き届いてあり五輪塔型の墓碑に「陽光院天真寛裕大居士」と、ご本人を良く表している戒名が刻まれております。
墓碑の手前には碑文石というのでしょうか、夫人石原まき子さん直筆の見事な文章が刻まれており近づいて読み取らせて戴きました。

「美しきものにほほえみを、淋しきものに優しさを、
  たくましき者にさらに力を、すべての友に思い出を、
   愛するものに永遠を、心の夢醒めることなく」 石原まき子

私たちの世代を代表するスターであり何とも言えない近親感があり、眼を瞑ると「陽のあたる坂道」や「夕陽の丘」・・「黒部の太陽」が思い起こされます。
みんなに愛されて余りにも早く走り去って行ってしまいましたね。    合掌

                         平成29年11月     八大







富弘美術館

群馬県の東端に10年程前に平成の大合併によって「みどり市」が誕生しましたが、渡良瀬川沿いの草木湖の中程に富弘美術館があります。星野富弘さんが描いた水彩詩画の常設専用展示館である。
 中学教師だった星野さんは昭和45年22歳の時にクラブ活動の指導中に頚椎を損傷する事故にあって身体の自由を失った。彼はそれ以来、肩から下の機能が全て麻痺してしまう。その後9年にも及ぶ闘病生活の中で彼が得たのものは、キリスト教の洗礼と、母の献身的な介護とリハビリの過程で口に筆をくわえて字や絵を書くことを学んだ。筆を口にくわえ描く絵と、彼の“こころの芯”から絞り出すような詞を書くことは見学者の心を打つものがある。
詩画の題材は,多くがふるさとだった東村のあちこちに咲いている四季折々の草花が描かれています。
闘病中からのビデオを見ると僅かに頭を上下させる・・というその動作の辛さで、当初は一文字に一日掛かった・・という。
その桜の花の細部にわたる描写力を垣間見る時、そこに至るまで、はたしていったいどれほどの時間と努力が必要だったろうか?。・・・・その筆先を見詰めながら、出来うる限りの全神経を集中させるのだろうか・・などと、私が、どんなに頑張って想像しても・・・それを遥かに越えるに違いない。だからこそ、まるでこの掘り込むような一本一本の線と、力強い一つ一つの文字が、パワーを持って私たちの心の奥に響いてくるのだろう。

 久し振りに訪れましたが一つ一つの作品がまた私にやる気を与えてくれた!

                    

☆こころの芯からの言葉 1
 
 『神様がたった一度だけ この腕を
動かして下さるとしたら 母の肩をた
たかせてもらおう 風に揺れるぺんぺ
ん草の実を見ていたら そんな日が 
本当に来るような気がした』


☆こころの芯からの一言 2

よろこびが集まったよりも
悲しみが集まった方が
幸せに近いような気がする

強いものが集まったよりも
弱いものが集まった方が
真実に近いような気がする

しあわせが集まったよりも  
ふしあわせが集まった方が
愛に近いような気がする


平成29年10月    八大