虫の音

 此のところ暫らく暑い日が続いており寝床にスズムシの籠を置きクーラーのお世話になっていましたが、昨夜は久しぶりに気温が少し控えめに感じたので、網戸にして眠りに入りました。 だが、しかし快い感じを予想していたにもかかわらず五月蠅いほどの虫達の奏でる大合奏となってしまいました。

スズムシの優雅な音色に合せるように、ギイッチョン、ガチャガチャ、ジ~ジ~っと・・・一晩中秋の虫たちの競演が続き夢のようなナイトタイムを過ごすことが出来ました。勿論その夜の主役はコンサートマスターである我が家のスズムシ君でありました。こんな夜が来るとは思いませんでした、草むらの演奏者の皆さん有難うございました。都会でのマンション暮らしの人達には恐らく味わえない程の極楽気分でした。

草むらや地上に鳴いている虫の声を文字で表現するのは非常に難しいのですが、鳴き声から察するに、キリギリスがギィ―チョン、カンタンがルルルルッ、ウマオイがスィチョンン クツワムシがガシャガシャ、エンマコオロギがコロ・コロ・コロ、マツムシがピリッ・ピリリッツ、と続きます。聞くところによるとこのカネタタキという虫がいるそうでがチン・チン・チン、と鉦の音に聞こえるそうで、お寺に居るように感じるとか?。

日本人が虫の音を愛でて秋を感じるようになったのは、平安時代だそうです。この頃すでに虫の音を愛でる風習があったことが記録に残されています。鳴き声を楽しむことが貴族の間で流行していたそうです。清少納言の「枕草子」の中には「スズムシ、松虫、キリギリス、はたおり」が登場していますし、紫式部の「源氏物語」のなかにもスズムシや松虫が描かれております。


 令和2年  文月         八 大



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