楽応寺の虎

 楽応寺の虎

漆喰作りの虎2匹
春日部の内牧小学校近くに「楽応寺」と云う小さなお寺があります。昔の奥州街道沿いと云われますが古くから薬師様の寺として地元民から尊敬されており、毎月8日の薬師如来の縁日には賑わいを見せるそうです。現在は無住の寺であり近くの内牧小学校隣接の香林寺の管理下にありますが、平日は全くその様相からは往時をしのぶことは出来ません。

ここの薬師如来の御開帳は12年に一度の寅年に行われていました。今年令和4年2月16日が御開帳の予定でしたがコロナ禍のお陰で残念な事に中止になりました。地元の人の話によれば「私が生まれてこの方75歳を越えましたが中止は一度もありませんでしたよ」と、薬師様にどのように言い訳をしていいのか、香林寺の総代さんに相談に行ったそうですが・・・。

楽応寺由来
この寺の始まりは平安時代の天元3年(980)藤原大納言公任が父母供養のため、薬師如来を堂宇に祀ったと伝えられている。公任はこの時15歳で正5位下に叙せられて侍従に任ぜられている。この薬師如来像を崇敬していた岩槻の渋江大和の守、楽応が天正13年(1583)薬師堂を建立したとあります。

寺の境内の石仏や石碑から安土桃山時代から~江戸時代~現代へと伝承されて来ていることが伺えます。現在の楽応寺は江戸時代の元禄年間の1702年(赤穂浪士が吉良邸に討ち入りした年)に建立された記録が残っています。

前庭
現在の寺は良く見ると寄棟づくりの建物の軒の上に漆喰で作った可愛いらしい二匹の虎が、狛犬のように向かい合っています。近くの人の話では大正の始め頃左官職人が一匹作って奉納し、その十年後位に二匹目を作り向かい合わせとして奉納したと云われています。(寅年に合せて奉納したのではないかと思われる)

普段は戸が閉まっていて見られないがお寺の気配りで?、戸に穴があけてあり右手に明り取りの窓がある。覗けば薄明かりの中に拝めるようになっているようで「そっとのぞいてみてごらん」と誘っているようにも思えます。薬師如来は古来より眼を守る神様として信仰されております。寺は無住なので維持管理は近所の人たちの支えで今に伝えているそうです。

 令和4年 如月        八 大




 



0 件のコメント:

コメントを投稿