花祭りの甘茶

戦後の荒廃した世の中で育った私達の楽しみは季節ごとのお祭りでした。中でも当時の灌仏会は先祖の供養と共にお寺参りに繋がるためか思いが心に残っている。そんなことを云うと歳が判ってしまいますが 田舎のお寺での楽しみは花祭りだった。お釈迦様の誕生を祝うために花御堂を設え、たらい型の灌仏桶を甘茶で満たしその中央に誕生仏を配置します。小さな柄杓で何度も甘茶をかけてから、チョットだけ甘味のする薬草茶を何杯も戴いた記憶がありました。上等なお菓子
のない時代甘茶は珍しい飲み物で有難がって飲んでいました。

何で甘茶を掛けるのか不思議に思いました。 お釈迦様が生まれたネパール国のルンビ二という地方はヒマラヤの麓にあり盆地であります。花の咲き乱れている誕生の時、天から九頭の龍が現れて甘露の雨を注いだという言い伝えに基づいています。その雨がお釈迦様(ゴータマ・シッタルーダ)を清め、悟りの道へと導いたと信じられていることから、無病息災につながる甘茶を掛けるようになったと云われています。

甘茶はヤマアジサイの変種である「小甘茶」から作られ苦い飲み物ですが、発酵させると砂糖の100倍以上の甘さになり昔は甘味料として非常に重宝されたと云います。中国では「上に立つ者が良い政治を行って平和な世が訪れると甘い露が降る」との言い伝えや、インドの伝説には「茶は神様の飲み物で飲むと不老不死になれる」と云われており、長い時間をかけてお釈迦様への信仰に広がって行ったと云われています。

花祭りでの作法                                   1)山門の前で一礼しお寺に入る。2)手水舎で手と口を清める。3)参拝してロウソクと線香を上げる。4)お賽銭を上げて一礼する。5)合掌して祈願をしもう一度一礼する。   その時に祖父からお釈迦様の前で柏手(かしわで)を打ってはダメとを教えられました。                      お釈迦様の誕生日は紀元前463年の4月8日という説が一般的に言われております。           

 令和3年 卯月         八 大

       

                                    

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