声明(しょうみょう) ー仏教と音楽ー

 キリスト教に讃美歌があり聖歌隊があるように、仏教にも仏教を賛美してお経に節をつけて歌う専門の僧侶がいた。2年ほど前に声明を聞く機会がありました、地の底から湧きあがって来る感動を覚えたことがありました。
薬師寺の散華
 お釈迦様がおられる時から説法を記憶するため言葉に節を付けていることがあった。日本には仏教伝来と同時に声明と雅楽が入ってきた。天平勝宝4年4月9日(AD‐752年)東大寺盧舎那仏の開眼供養会でインドの僧である菩提僊那が朗々とした声明がその場の雰囲気を包んだといわれる。平安時代初期には唐から帰った空海、最澄がそれぞれの真言声明・天台声明の基礎を作ったと云うことで1,200年の歴史があるということです。民謡・浄瑠璃・謡曲・浪花節などに広く発展していって、日本音楽の源流となっています。
 多勢のお坊さんが堂内を回りながら声明を唱え散華を撒くとキラキラキラと散らされていく様子を見ていると、人それぞれにいろいろな思いが違って感じられることでしょう。
 声明とは五明(ごみょう)の一つであるそうです。五明とは仏教の学における声明(言語学・文学)因明(論理学)工巧明(工芸技術・算法暦法)医法明(医学)内明(哲学・仏教学)の五つの領域を言い、明とは「究明」であり今の言葉で云うと「学」である。
声明は口伝(くでん)で伝えるため、現在の音楽理論でいうところの楽譜に相当するものが当初はなかった。そのために伝授は困難を極めたそうで、後世になってから楽譜にあたる墨譜(ぼくふ)が考案され今に至っているそうです。声明は五明の第一とされており「一切の教えは皆文字や文法が無ければ前に進めない」と云うことからとのことです。

 「散華」とは
 仏教の経典には仏が説法をする時には天から花が降ってくると説かれていますが、天人が仏を讃美することを示すもので、古くは蓮の花弁や樒(しきび)の葉を撒いていたそうですが、現在では蓮の花弁を形どった和紙を使用しています。
仏を讃美し供養するために仏のまわりを巡りながら花を地にまき散らすのが散華であります。

                          平成29年12月   八大



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