素麺(そうめん)

 そうめんはもう茹でないで下さい! と名古屋の飯屋の旦那から言われた。 深めのフライパンにお湯を沸騰させ、そうめんを入れて10秒だけかき混ぜたら火をすぐに止めてフタをするだけ。数分後にはちゃんとそうめんになっています! 沸騰させ続けるよりもヌメリが少なく、つるんと美味しい仕上がりに何より、暑くないのが良いですよ。ビックリ水はいりませんよ!「嘘だと思ったら試してください」

子供の頃、母ちゃんが真夏のクソ暑い台所で吹きこぼれないように鍋の中をジッと見つめながら私に云ってたよ「吹きこぼれないように見ていなさい」・・・と。そうは言われても分かっていながらついつい吹きこぼれてしまいガス台のまわりがべちゃべちゃになって叱られたことありました。それでも汗を拭きなが氷水でさわし薬味や具材を入れた素麺の清涼感がたまりませんでした。

そうめんの由来 日本の発祥地は奈良時代に、天武天皇の孫である長屋王邸宅跡(奈良市)から出土した木簡に「索餅(さくべい)」の文字が記録されております。原型はもち米と小麦粉を細長く練り合わせたものを油状に揚げたもので中国唐時代の菓子として現在でも神饌としてお供えされております。そうめんの原型と考えられているそうです。

「流しそうめん」 竹製の樋を使ってそうめんを流し、途中で待ちかまえ箸で捕まえてめんつゆ等に付けて食べる。この流し素麺は、夏の風物詩とされている。昭和の30年代に宮崎県高千穂峡にあるお茶屋さんが店頭に「元祖流しそうめん」の看板を掲げていたと云うのでここが発祥の地として石碑を設置しているそうです。

また「そうめん流し」 回転式そうめん流し器という円卓テーブル上を円環する樋に水圧で水流を起こしそうめんを流しを箸ですくい食べる装置です。箸を用いてめんつゆ等を付けて食べるもので、これも5~6年遅れて鹿児島県の指宿の唐船峡の地で発祥したと云われています。非常にお手軽でコンパクトにできているため自宅での人気があるそうです。

江戸時代には七夕の時期(七姐節)に、そうめんを供え物とする習俗が広がってようで、細い長い麺を糸に見立て裁縫の上達を祈願したものでもありました。

 令和3年  文月       八 大






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